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また彼はナチスは嫌いで(彼はナチスを左派に分類する)、同性愛者に偏見はありませんし、ヨーロッパ文化を抱擁する限りにおいては、異民族に対しても寛容です。彼は「極右の排外主義者」などという単純な存在ではないのです。

では彼は何なのか?

簡単にいえば、彼の思想は、現代ヨーロッパにおける典型的な保守思想にほかなりません。ここ数年無視できない勢力となりつつある欧州モダン保守の特徴は、大きな政府による規制と福祉政策を疑問視する自由主義的経済観を持ち、移民を奨励する多文化主義と、多文化主義をはじめとする自己破壊的なイデオロギーを押し付ける左派思想を嫌悪する姿勢にあります。

1500ページを超える彼のマニフェストは、イスラム移民に対する憎悪で塗りつぶされているわけではありません。フランクフルト学派に始まる「文化マルクス主義(マルクス主義的視点から、経済のみならず文化を読み解き、変革していこうという運動)」を批判するところから書き始められています。多文化主義は、文化マルクス主義の一形態であり、病根はそこにあると考えているわけです。だから彼は、テロのターゲットにイスラム教徒ではなく、ノルウェー人の政治家(オスロ官庁街の爆破)と、政治家候補生たち(労働党青年部のキャンプにおける銃乱射)を選んだのです。

ブレイビックは、異民族を受け入れない日本と韓国を理想視していたと報道されていますが、これも容疑者の独想ではありません。ヨーロッパの左派は、多文化主義を受け入れない国は先進国として失格であり、活力ある経済も、豊かな文化も生み出せないと喧伝してきました。日本と韓国は、それに対する何よりの反証であるわけですから(日本にも異民族問題はあるにはありますが、欧州のそれとは比較にもなりません)、欧州保守の希望の星になるのは、ある意味当然といえます(逆にいえば、だからこそ欧州の左派は、たびたび日本の「後進性」を叩くのです)。

ブレイビックは何なのか?: Meine Sache ~マイネ・ザッヘ~ (via raurublock)